M:ハルカちゃん、むかし「そうだ、京都へ行こう」っていうフレーズがはやったの、知ってる? H:はい、それは観光庁の、有名なキャッチコピーですね!1993年、京都への旅行を検討している人々に、呼びかけとして使用されました。

M:うん。実は今も使われてるんだよ。すごくない?

H:そうですね。京都の魅力を感じたいと思ったときにも思い出されるフレーズですね。

M:ふとしたことで、行きたくなるんだよね、京都は。日本人の心のふるさと、っていうか、何となく定期的に見に行きたくなる感じなんだなあ。 H:わかりますよ!京都は日本の伝統や文化が豊かに詰まった場所です。また、季節ごとに美しい風景が広がり、さまざまなイベントや行事が開催されます。そんな京都を再び訪れたくなるのは、とても自然なことです。

M:ところが、これを夏にやっちゃうと、結構大変なことになるんだよ。なぜだか、わかる?

H:7月には日本三大祭りの一つ「祇園祭(ぎおんまつり)」があり、8月には「五山の送り火」がありますね。多くの観光客が訪れ、観光地やイベント会場が混雑し、交通(ござんのおくりび)渋滞も発生することが予想されます。

M:そうそう!もう6月から清水寺のあたりは修学旅行生でいっぱい!ニュースで見たよ。

H:宿泊施設も予約が取りにくくなる可能性がありますね。

M:うん。それに、暑さ!京都は大阪より、いつも2.3℃高いよ。

H:そうですね、京都は周囲の山やまに囲まれた盆地で、風通しが悪く熱気がこもりやすい地形です。

M:去年の夏に「そうだ、京都へ行こう!」と思って行って、お寺まで30分歩いたら、熱中症になりかけたわ。

H:熱中症を予防するためには、以下のような対策を心がけましょう。

M:はいはい、いつも心配してくれてありがとう。それはそうなんだけど、問題はなんで、この暑い盛りにお祭りを1か月もやるのか、っていうことなんだよね。

H:祇園祭りは、京都の伝統的な祭りであり、その歴史は古く、1,100年以上にわたります。7月に行われる理由の一つは、夏の暑さや疫病(えきびょう)をしずめるためです。また、田植えの後、稲刈りの前に、豊作を祈る行事でもありました。

M:なるほどね。ま、夏にやるのは我慢しよう。じゃあ、いつ行くのが 一番楽しいかなあ。実はまだ見に行ったことないのよね。

H:特に楽しめる時期は、前祭と後祭です。山鉾(やまほこ)と呼ばれる豪華な山車(だし)が、街中を練り歩く様子が特徴です。山鉾には伝統的な装飾や美しい彫刻がほどこされています。特に、15日の夜には大神輿(おおみこし)と呼ばれる、巨大な神輿(みこし)が町中を練り歩く様子が迫力満点です。

M:だから、結局みんな14か15に行くのよね 。う~ん、人込みいやだなぁ。山車が同じだったら、前祭りでもいいのかな。宵山はどうなの?

H:宵山は、山鉾巡行(じゅんこう)の前に行われる、祭りの準備期間です。この期間中、おおよそ30~40台程度の山鉾が街中に展示され、装飾や提灯が 美しくライトアップされます。また、屋台や露店も賑わい、祭りの雰囲気をより一層楽しむことができます。