M:最近、秋晴れが続くよ。こんな日はどこか行きたいなあ、ハルカちゃん。

H:秋晴れの日はとても気持ちがいいですね。どこかの美しい公園や自然の中に出かけて、紅葉を楽しんだり、散歩を楽しむのもすてきです。また、近くにある神社や寺院を訪れて、静かなひとときを過ごすのもおすすめです。

M:あのさ、10月は神社あんまり静かじゃないよ。毎週あちこちでお祭りやってるもん。何で秋に多いのかな。

H:秋は収穫の季節で、神様に感謝の気持ちを表すためですよ。

M:あー今年もおいしいお米ができました。神様、ありがとう、って感じだね。でもさ、もの知りなハルカちゃんに 聞きたいことがあるんだけど。

H:もちろん!何でも聞いてくださいね。何でも答えられる範囲でお手伝いしますよ。

M:…最近答えられないことが増えたから、警戒してるのね。ん、あのさ、10月って日本では昔から「神無月(かんなづき)」っていうじゃない?「神様がいない月」と書く。つまり、日本中の神様がお出かけしてて留守、っていう意味だよね。そんな月にどうして秋祭りが多いんだろうね。矛盾してない?

H:それは、祭りが地域社会の大切な文化であり、地域社会の結びつきを強化するために催されることが多いためです。

M:ああ、地元の都合優先なのね。でも、お礼を言うべき神様は、10月、みんな島根県の出雲大社に行っちゃってるんだよ~。というわけで、今日は島根県のお話だよ。私、見たんだもん、出雲大社で各地の神様がお泊りになるゲストハウス!大きかったよ。みなさん、出雲で何なさってるの?バカンス?

H:「十九社(じゅうくさ)」と呼ばれるところですね。年に1度の神事「神在祭(かみありさい)」の期間中、とびらが開いていますよ。出雲大社に神々が集まられて、国の平和や繁栄を祈るとされています。

M:あー失礼しました。真面目に日本の将来について、話し合っておられるんですね。えー国会みたいですね。ちなみに会期はどのぐらい?

H:旧暦の10月10日から10月17日までの1週間にわたって行われます。

M:あ、古いカレンダーか。だったら本当は今の11月だよね。じゃあ、秋祭り終わってから行けるね。しかも、たったの1週間?みなさん地元の神社を留守にしても大丈夫だ。

H:島根県の出雲地方では旧暦10月は「神在月(かみありづき)」と言われ、特別な意義を持つ月です。お茶神楽(かぐら)と呼ばれる神楽が行われて、神聖な場所でお茶が供される儀式などがあります。

M:へえ、神様にお茶出すの!ほら、神様にはお酒を出すもんだと思ってたよ。国会中は禁酒なのかな。

H:これは日本の茶道文化と結びついた、神々への感謝の気持ちを表す儀式なんです。

M:うん、じゃあ、えっと、ホストの神様はどなただっけ。

H:出雲大社の神様は「オオクニヌシノミコト」で、海と陸地の神として知られています。

M:ああ、オオクニヌシね!三重の伊勢神宮アマテラスと並んで、神話の神様ツートップだ。彼女は太陽の神様。そして、こちらは国土の神様。見事なワークシェアリングですね。

H:出雲大社は、結婚や縁結びの神としても有名です。妻の「トヨタマヒメノミコト」と、陸地を形成する際に共に活動したとされています。彼らは海を引き寄せて新たな陸地を創造し、その中に住む人々のために環境を整えたという物語が伝えられています。